便秘の改善の基礎

 

前述の通り、弛緩性便秘は、大腸全体の動きが悪く便をスムーズに出せない症状となりますが、これは便を送り出すための腸のぜん動運動が弱くなっているからです。そのため、弛緩性便秘の人は、残便感、腹部膨満感に悩み、食欲低下なども起こります。

 

この症状が更に進行すると、頭痛、肩こり、体の冷えなども伴いやすく、悩みは更に重いものになります。影響度が高い要素は、順に、運動不足(腹筋力の不足)、腸内環境の悪化、食物繊維摂取不足、水分不足、ストレスということになります。

 

さて改善方法ですが、まずは何より腹筋力をつけなければなりません。それに加えて食事での意識的な食物繊維の摂取、腸内環境を整えるために腸内の善玉菌を増やす、ということが重要です。

 

自覚症状を伴う痙攣性便秘の人の場合は、そもそもこの便秘が日常生活でのストレスや睡眠不足等が原因で、腸が過剰に動いてしまうことから引き起こされるので、そうなると、本来便秘改善に効果的な食物繊維の摂取をしても、逆に過剰な刺激になって、便秘がもっと悪化してしまうこともあるのです。

 

食物繊維の殆どは不溶性食物繊維ですが、ポイントは痙攣性の便秘に効果的なのは「水に溶ける水溶性食物繊維」です。昆布やわかめなどの海藻類には水溶性食物繊維が30%以上含まれており、これらがお勧めです。

 

また、過労や睡眠不足を解消していけば体質改善につながります。いずれにしても、特に注意しなければならないのは便秘薬の常習です。慢性便秘の人は、どうしても便秘薬を長期間服用することが多く、次第に薬の量も増加していることになります。便秘薬を服用し続けていると、腸管は痙攣を起こし、排便は逆に不十分になるので、実は悪循環に陥るのです。

 

便秘では排便習慣を取り戻すことが重要です。普段から水分や食物繊維を多く摂り、便意を催した時にはすぐ排便をするクセをつけてください。